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研究テーマ:ブラックホールとX線天文学

観測天文学に携わっています。その中でも特に、ブラックホールから放射されるX線を観測しています。 大質量の恒星は、中心の核燃料を燃やし尽くしたのちに重力崩壊を起こしますが、質量が太陽のおおむね30倍より重い星の場合、星の核の重力崩壊によって中心に ブラックホールが誕生します。 ブラックホールはその名の通り光を出さないため、単独では基本的には観測できません。 しかし、ブラックホールが通常の恒星と近接連星を形成していると、恒星表面のガスがブラックホールの重力圏に捉えられ、 ブラックホールに落ち込みます。ここで、もともと恒星とブラックホールは互いの周りを公転しているため、ガスもブラックホールに対して回転しています(「角運動量」をもつと言います)。 したがって、ガスはブラックホールの周りを回転するガス円盤(「降着円盤」とよばれます)を形成します。

さて、降着円盤ではガスが高速で回転するため、ガス同士の摩擦によって数千万度もの高温になり、波長の短い電磁波であるX線が放射されます。 このX線を観測することで、降着円盤がどのような状態となっているか、すなわちガスがどのようにブラックホールに落ち込んでゆくかを調べることができるのです。 ブラックホールは地球上では決して実現できない強い重量場をもっており、いわば超高重力の下での物理現象を調べるための最高の実験室と言えます。

 
research map
research profile (elsevier)
ORCID

 

現職
芝浦工業大学システム理工学部電子情報システム学科
教授
〒337-8570 さいたま市見沼区深作307
所属学会
日本天文学会 日本物理学会 国際天文学連合(IAU)

 

学歴:

1992.4
東京大学理科一類入学
1996.3
東京大学理学部物理学科卒業
1998.3
同大学院理学系研究科物理学専攻修士課程修了,牧島研究室
修士論文:ASTRO-E搭載硬X線検出器の熱設計とその検証
2001.3
同 博士課程修了 博士(理学)
博士論文: X-ray study of optically-thick accretion disks around stellar black holes''
ダウンロード: PDF file(10MB/206pg)

研究歴/職歴:

1999.1-2000.3
日本学術振興会特別研究員(DC2)
2001.4-2004.3
日本学術振興会特別研究員(PD)

(宇宙科学研究本部大気球観測センター)
2002.1-3 イギリス・ダラム大学で共同研究
        (Prof. Chris Done)
2002.11-1 合衆国・エール大学で共同研究
        (Prof. Meg Urry )
2003.10-12 イギリス・ダラム大学で共同研究
        (Prof. Done)
2004.4-2007.3
理化学研究所 宇宙放射線研究室
  基礎科学特別研究員
2005.1 Prof. Done訪日@理研
2005.2 合衆国・エール大学で共同研究
2006.4-8 Prof. Done訪日@ISAS
2007.4
芝浦工業大学 システム工学部
電子情報システム学科 講師
2009.4
同大学システム理工学部(学部名称変更)
電子情報システム学科 准教授
2017.8-2018.7
イギリス・ダラム大学で在外研究
2021.4-現在
電子情報システム学科 教授
2021.6-2023.6
日本天文学会副会長

 

受賞:

2002.2
第18回井上研究奨励賞
「ブラックホール周りの光学的に厚い降着円盤のX線を用いた研究」
財団法人井上科学振興財団
2016.1
SIT優秀研究賞 (芝浦工業大学)

 

競争的資金の獲得:

2005.3-2007.3
文科省特定領域研究
「ブラックホール天文学の新展開」公募研究
課題番号:1703011
課題名:中質量ブラックホールの観測的実証と臨界降着における放射機構の解明
2007.4-2010.3
文科省科学研究費補助金若手B
課題番号:19740113
課題名:広帯域X線スペクトル観測によるブラックホール降着流のエネルギー解放バランスの解明
2012.4-2016.3
文科省科学研究費補助金基盤C
課題番号:24540237
課題名:X線スペクトルと時間変動解析によるブラックホール降着流の状態遷移機構の解明